行徳と江の島の『弁天様と五頭竜』の話
行徳に住む弁天様も、江の島に住む弁天様も同じですよね。
ということで、本日は「 弁天様 番外編 」として、
表題の物語を紹介いたします。
多少、いや、多々の脚色付ですので、その辺はお許しを。
また、掲載写真はいずれも行徳の弁天様ですので。
五つの頭を持つ竜
むかしむか~し、まだ神奈川県に江の島が無かったころ、
鎌倉あたりにあった沼に、5つの頭を持つ竜が住んでいました。
「5つも頭がある竜なんて、おそろしやおそろしや!」
村人たちはみな、ただただ五頭竜をおそれていました。
元来は人を怖がらせるつもりのなかった五頭竜ですが、
子どもと遊ぼうと思って近くに寄っていくと、
「 おお!危ない!坊主、早くにげろー 」
「 こわいよ~。うえ~ん(涙)」
ってな具合で。
みんながあまりに自分を怖がり、自分の姿を見て逃げ惑う村人達をみるうち、
自暴自棄になった五頭竜は、
地震・かみなり・火事・おやじ(?)と、あらゆる天変地異を起こすようになりました。
ちょうどそんな頃、引っ越し先を探していた神様がおりました。
それが弁天様です。
「どこかきれいな景色の、清浄な水辺は無いものかしら?できれば敷金礼金0
の物件がいいんだけど…」
いや、弁天様の住居は賃貸ではないので。(#^.^#)
そんな時、江の島が隆起し、出来た洞窟の中に美しい水辺ができました。
「 新築物件じゃない!ちょうどいいわ。ここに決めた! 」
というわけで江の島に 引っ越してきた弁天様。
弁天様、なんせ美人で有名な吉祥天と宗像三女神が合体した方ですから、
絶世の美女・弁財天が引っ越してきた!
のニュースは、各村でトップニュースとして扱われました。
もちろんそのニュースは五頭竜のもとにも聞こえてきました。
「へえ。絶世の美女ね。どれ、見に行ってやるか。えええ!本当に絶世の美女だ!」
一目で Fall in Love
恋に落ちてしまいました。
「ねぇカノジョ、俺の彼女になってよ。なんなら結婚しよ♡」
五頭竜に告られた弁天様。五頭竜の悪い噂は聞いていました。
けれど弁天様は神様です。タイプじゃないからと無下に断るわけにもいきません。
だからといって付き合うとか結婚はちょっと… なので、
「だって、あなた悪いことばっかしてるでしょ?それってどうなの?私、神様よ。」
「わかった。俺、改心するよ」
「ほんと?だったら考えてあげてもいいけど。でも、ほんとかな~?」
「竜に二言はない!俺は男だ!見てろよ!」
そう言って五頭竜は、それ以降人々を災害やらなんやらから守る大活躍!
弁天様も
「あら、ちょっとかっこいいかも♡ 」
と、まんざらでもなくなり、結婚することに。
気を良くした五頭竜は、
「愛するおかあちゃん(?)のためだ!今日もがんばるぜ~ぃ♡」
「はいはい。死なない程度に頑張ってね♡」
(余談ですが、この「死なない程度に頑張ってね♡」という言葉をうちのご主人様(旦那
さん)に、本当に言ったことがあって、その時は驚いた顔で二度見され、会社でこう言わ
れたと言ったら、みんなが慰めてくれたそうです)
ある時、長く続いた大雨による洪水で、村ごと流されそうになっていたところを助けるた
め、五頭竜は自らの身を山に変えて助けたといいます。
その山が江の島の対岸にある龍口山であり、感謝した村人はそこに神社を造立し、
今でも一年に一度、大神輿を江の島へ運び(神輿渡御)、
60年に一度、五頭竜像を神輿に載せ、二人(二柱)を合わせているとか。
いいお話しですね。
この話は「江島縁起」というお話です。
詳しく読みたい方は、ぜひお調べになってください。
でも、ちょっと待った~!
弁天様って、インドでは梵天さんの奥さんじ
ゃなかったっけ?
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